ここ扇沢駅は、長野県大町側から立山黒部アルペンルートに入るルートの出発点となる駅です(標高1433m)。
富山県側から入るルートの場合はゴールとなる駅です。
ゴールとなる場合はここまでいろいろな乗り物を乗り継いでお疲れでしょうから、もう「見どころ」どころではないと思います。
あとは帰るだけです。団体ツアーの旅行会社が手配した観光バスがここで待っていてくれます。
長野県大町側から立山黒部アルペンルートに入られるかた向けの見どころ・注意点は以下のとおりです。
なお、関電トンネルトロリーバスはトンネルの中を走るため、景色は見えません。
ここ扇沢駅からトロリーバスに乗ります。
トロリーバスとは、バスの屋根の部分から結ばれた架線から電力で電気を供給し走るバスを言います。
かつては日本国内においても東京や横浜、川崎市、大阪、京都などで運行されていましたが、これらはすべて廃止。
トンネル内を走行するため、ガソリンのような燃料で走行する通常のバスでは排気ガスがトンネル内に充満します。この排気ガスを出さないために今でもトロリーバスが現存しているというわけです。
現在日本国内で唯一残っているのが、ここ立山黒部アルペンルートの立山トンネルトロリーバスと関電トンネルトロリーバスのみです。
どちらのバスも大部分がトンネルを走行するため景色は楽しめませんが、日本で唯一というトロリーバスに乗ることができるという点を知っているだけでも有り難みが増します。
【バスの構造】
この関電トンネルトロリーバスは、5~7台程度連なった状態で走っています。電車のように完全に連結しているわけではありませんが、一度に多くの観光客を運ぶことができます。
関電トンネルは、映画『黒部の太陽』の題材となったトンネルです。
黒部ダムの建設は世紀の大事業といわれましたが、この映画『黒部の太陽』ではこの関電トンネル(大町トンネル)の掘削の苦労がこの映画の大部分を占めています。
観光客からすると景色が見えずただ退屈なだけかもしれません。
しかし、関電トンネル(大町トンネル)の掘削の苦労を知ると、ただのトンネルも味方が変わってきます。
立山黒部アルペンルートに出かける前にレンタルビデオ店でこの映画『黒部の太陽』を観ておかれることを強くお勧めします。
*石原裕次郎主演の映画についてはいまでも石原プロがテレビ放送などの無料放送を認めていません。観るなら有料放送になります。
関電トンネル(大町トンネル)内は景色は見えませんので、バスの席はどこでもかまいません。連なって走るバスの何台目でも差はありません。
関電トンネルトロリーバスは16分程度乗ります。
長いようで短いので、お若い方は年配の方にお席を譲って差し上げるとよいでしょう。