ここ黒部には、戦前3つのダムが建設されました。
そして、戦後になって世紀の大事業と言われた黒四ダムが建設されました。
黒部での4番目のダムということで黒部第四ダム、略して黒四ダム。
ただ、現在ではこの黒四ダムだけを一般に「黒部ダム」と呼んでいます。
【ダムの構造】
「アーチ式ダム」と「重力式ダム」の複合型
立山黒部アルペンルートを急いで回ると、黒部ダム駅と黒部湖駅の徒歩移動は単なる通過点のひとつになってしまいます。
ダムの水の貯蔵量が多くない場合は、少ない水に耐えうるだけのダムの薄さでいいのです。
しかし、この黒部ダムで建設当時の関西の電力を賄うために水力発電用にものすごい水の貯蔵が必要でした。時代は戦後の復興期です。もちろん当時は原子力発電所などはありません。
結果、黒部ダムの厚さは乗用車が互いに交差できるほどの幅になり、人が歩いて渡れるほどになっています。
世紀の大事業と言われた黒部ダムの偉大さは、黒部ダム建設の歴史を学べば学ぶほど痛感させられます。
立山黒部アルペンルートの観光の目玉のひとつである黒部ダムの観光放水。
立山黒部アルペンルート開通時にいつでも見られるわけではなく、夏場のみ見られるものです。
放水の期間は、6月末~10月半ばです。
立山黒部アルペンルート開通直後の春先は、室堂の雪の大谷ウォークが立山黒部アルペンルートの目玉となります。
この雪の大谷の雪がなくなると次の目玉が黒部ダムの観光放水に観光の目玉が移ります。
*観光放水が行われるのは、6月26日から10月15日までの期間。期間中は朝から夕方まで毎秒10立方メートル以上の放水が行われます。
ですから、立山黒部アルペンルートの旅行をお考えの方は、雪の大谷ウォークと黒部ダムの観光放水のいずれを見たいかで予定を組まれるといいと思います。
*秋になると紅葉も楽しめます
黒部ダムの放水をみることのできる展望台は実はひとつではありません。
(1)ダム展望台
高台から黒部ダムや放水を見下ろすことができるのがこのダム展望台です(上記写真では一番上にある青い屋根の建物です)。
高台から黒部ダムを見下ろすわけですから、高いところに上る必要があります。
黒部ダム駅から階段220段を上ります。
エレベータやエスカレータはありません・・・。
この階段はとてもキツいです・・・。
特に、富山県の立山駅側から立山黒部アルペンルートに入るルートの場合、ここ黒部ダム駅は終盤にさしかかり心身ともにかなり疲れています。
その体にムチ打ってこの階段を上るわけですが、そのキツいこと、キツいこと。
この展望台には喫茶スペースがあり飲み物も注文できるのですが、もう動きたくなくなりますよ!
(2)新展望広場
2003年6月に出来た黒部ダムの新名所です。
黒部ダムの放水を見るだけならばこちらの方から見たほうがいいと思います。
黒部川第四発電所は、黒部ダムから10kmほど下流にあります。
しかも地下にあるため、この目で見ることはできません。
また、黒部ダムにより大量の水をため込むことができるようになり、現在ではダムの下流に10もの水力発電所があります。
黒部ダムによって堰き止められて出来たのが黒部湖です。
ダムの堰堤に立って黒部湖に向かった場合、左の大きな山々が「後立山連峰」、右の大きな山々が「立山連峰」になります。
この黒部湖・黒部ダムの付近をどのくらいの時間滞在できるかは、実はその団体ツアーによって異なります。
長く滞在して観光をたっぷり楽しめるときもあれば、そうでないときもあります。
なぜそうなるかというと、団体予約の際に立山黒部アルペンルートを管理している会社から予め次の乗り物に乗る時間が予め決まっているからです。
多くの団体が混雑しないよう、「あなたの団体はこの時間に来てこのとおりに回ってください」と予め指定を受けるのです。
また、1泊2日の団体ツアーのように旅行期間が短い団体ツアーに参加した場合は、その日のうちに帰らないといけないためそもそものんびりできません。
もし室堂平やここ黒部ダムでゆっくりと観光したければ、2泊3日で組んである団体ツアーに参加したほうが絶対にいいと言えます。
この黒部湖・黒部ダムの付近はよく雨が降ります。
そもそも黒部ダムは、戦後の電力不足を賄うため水力発電所建設のために作られました。
水力発電のためには沢山の水が必要なわけですが、この付近は冬場に積もった雪解け水が期待できるだけでなく、そもそも降水量が多い所でもあります。
でなければ、こんな山奥の僻地に莫大な建設費と無謀とも思える世紀の大事業は行いません。
ですから、とにかく雨がよく降ります。雨具の用意は必須です。